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政府高官の天下りが問題になり新聞その他マスメデヤを通じ広く報道され、これを知らない日本人は殆どいないと思う。定年後、関連機構を管理職として渡り歩き、そのたびに税金を支出源とする高額退職金を受けて晩年を無為に過ごす。極少数の人が対象であろうがマスコミの絶好の攻撃目標となり、表面上は全面禁止になったように素人の私の目には映る。しかし振り子の針は常に左右に振れる。最近になり円滑な多くの天下りまで廃止となり官公庁の人事面で混迷の基になっているとの記事をしばしば見かける。天下り、つまり横滑りの禁止により官公庁が丸抱えとなり人件費は高騰、後進の官吏は先がつかえて頭打ちと鳴り、使命感を注ぐ的を失い士気も衰える。このままでは国を支える有能の士は官公庁を敬遠し、それは国の衰退にもつながるのでないかと心配である。素人の無駄な心配と云われれば口を紡ぐしかないが。
戦前の神話教育では、遠い、遠い、見知らぬ空の上の国で偉大なる女の神様天照大神が孫の瓊瓊杵尊に『眼下に見える葦原の中つ国は悪人がはびこり、ウジ虫などがうようよして大変乱れている。汝が云って族共を平らげ、豊かな国として治めるように』と八咫鏡・八坂瓊勾玉・天叢雲剣の三種の神器を御手ずから手渡し、孫神は多くの武官文人を従えて日向の高千穂の峰に天下ったと教えていた。この部分は當時の国是であった八紘一宇の志の浸透を国民に図る最重要の教課であったと思う。戦前には四大祭日が制定されていて元旦節・紀元節・天長節・明治節があった。全ての公共機関は休みで、私たち生徒はお祝いの式に登校し紅白の御供物を頂き家族一同で割って食べた記憶が今でも鮮明である。校長先生は東京農大の出身で海軍士官歴もあり、昭和天皇の大礼式に参列した経歴もあるのであろう、式には威儀を正し、大礼服に身をつつみ、ナポレオンの肖像で見るような船型の長い帽子を被り奉安殿から講堂に紫の袱紗(ふくさ)に包んだ教育勅語を三方に入れ、高く捧げて粛々と運び、朗々と勅語を読み聴かせた。その間、私たち小学生は緊張して頭を下げ、顔を上げて周囲を見渡すなどの勇気などなかった。その四大節で一番重要な式は2月11日の紀元節であったと思う。各式典にはその祭日の歌が有り声を上げて毎回斉唱した。その紀元節の歌『雲に飛びえる高千穂の 高根下ろしに草も木も 靡き伏しけん大御代を 祝う今日こそ楽のしけれ』。格調がある名曲であったと今でも思う。
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